相手の言い値で運動場敷地取得か?

 私学事業団運動場敷地(東新小岩)を取得する問題で、2022年10月から私学事業団と区は価格の協議を始めているが、私学事業団は「最低でも330億円、瑕疵担保責任も通常通り負うことを考慮した」と主張し、これに対して区は「300億円、瑕疵担保責任なし」と応じて、検討するとしていた。
 その後、議会には、財産価格審議会が348億9283万円が上限と評定したことを受けて協議を続けてきたこと、瑕疵担保責任について私学事業団から責任を負うことは困難との意向が示されたこと、契約金額から土壌汚染対策費用などを減額すること、その結果325億6300万円での契約となることが報告されている。私学事業団は「瑕疵担保責任を通常通り負うことを考慮」して330億円と言っているので、土壌汚染対策などの費用は含まれていると判断するのは当然であり、そこから減額協議をすることになるのではないか。
 財価審は、価格を決定するのではなく、「それ以上」か「それ以下」の基準を示すもので、348億円を上限とするなら、私学の当初からの330億円は妥当だということになる。
 結局、財価審の評定を契約金額に見立てて、そこから減額したかのように装っているだけで、実際には、私学事業団の言い値、区民の負担が増大したという結果になっている。しかも、運動場は当面活用できるものの、最終的にはスタジアムも含めた面的な複合開発を目的としているため、いずれ運動場は解体される。区民を欺く大型開発事業であり、区民の理解は得られない。