私立保育園の補助金誤支給問題で、本日の総務委員会では、システムの点検やチェック体制の強化などが報告された。当然と言えば当然のことで、繰り返さないための取り組みを強化するのは特に異論がない。しかし、区の文章には、非常に違和感を持つヵ所がある。それは「今般、不適正な業務執行事案が相次いで発生したことにより、本区に対する区民の信頼を著しく損ね、円滑な行政運営に支障を及ぼしかねない事態を招いている」と言うところだ。
「相次いで発生した」、その内容が明らかにされず言葉だけになっていることだ。2か所の認証保育所の補助金については、区は不正受給で片付けようとしているが、実は、監査の指摘を受けまともに対応していなかったことから生まれた誤支給である認識はなかった。
そもそも区民の信頼を著しく損ねたなら、行政運営に支障を及ぼしたと言えることなのに、そこには至っていないという認識で、ここに、区の無反省ぶり、問題を重く受け止めていないことがよくわかる。
間違ったことを正そうとせず、「返還を求める」「返還を求めない」と二転三転するのは、特に支障はないという認識の現れだ。
間違って支給したものは返還を依頼する、その際、保育園側とよく相談をする。合わせて、今回の事件の教訓は、間違ったとはいえ、保育士を増やすことができたことで保育の質の向上につながったという事実がある。保育園への支援制度を総点検し、見直し拡充していくことが、生かすべき教訓ではないのか。