庁舎移転について放って置けないことがある!

 「誇りあるふるさと葛飾つくる会」のチラシが新聞折り込みされました。この「会」をホームページで検索すると青木区長の後援会であることがわかります。このチラシを読んで私なりの感想を書いてみました。

「誇りあるふるさと葛飾つくる会」のチラシ
 庁舎移転と立石駅北口再開発事業は、表裏一体のものであり、別々に論じることは正くありません。ところが青木陣営は、何が何でも別にしたがっています。
 先の区長・区議選で私たちが掲げた660億円もの税金投入になるという訴えに対して、区長と自民、公明は、「事実と違う」と反論し、最近、青木区長の後援会でもある「誇りあるふるさと葛飾つくる会」が、あえてチラシにしし新聞折り込みをしています。

庁舎移転と再開発事業は一体
 「チラシ」によると庁舎整備にかかる費用は247億2千万円としています。しかし、これ自体が事実に反します。
 まず床購入費242億円には、都税事務所が購入する予定24億円を差し引いています。しかし、今年12月9日の総務員会にだされた方針案でも都税事務所については「移転の方向で協議中」となっており、移転が決まっているわけではありません。「チラシ」にあるような「他の団体が購入」することにもなっていません。現時点で床購入費は266億円で、今後いくらになるかは組合との協議となっています。ですから議会と違う報告をすることは、青木区長の言葉を借りれば「議会報告している内容と異なる情報が拡散されていることは残念であり、遺憾である」(12月3日、本会議答弁)という事になるのです。
 次に、備品購入費・引越費用5.2億円としていますが、ビルに移転するからには、維持管理費や修繕積立金は、当然必要です。これを加えれば9.7億円になります。これも現時点であり、いくらになるかは今後の協議としています。
 次に、国と都からの補助金等382億円について、「チラシ」では「一旦区費から支出されますが、後日国や都から補助金交付金の形で区に入ってくるお金」としています。しかし、「入ってくるお金」は、約187億5千万円のみで、あとは入ってきません。

再開発事業は庁舎移転がなければ成り立たない
 庁舎を移転するには、再開発事業を成り立たせる必要があり、別々に論じることができません。現在、公費負担は266億円+9.7億円+382億円=657.7億円という事になり、660億円もの税金を投入しなければ再開発事業は成り立たず、庁舎移転もできません。
 それだけではありません。庁舎移転と合わせ、現在の本館・議会棟は解体、新館は改修し活用することを、区は先の定例会で方針としました。それに係る費用は、最大64億円としています。さらに、再開発ビルの西棟(庁舎移転は東棟)には、ホールを整備する計画も出ていますので、さらなる税金投入となることは間違いありません。

この再開発事業には住民合意はない
 そもそもこの再開発事業は、住民合意があるのか、ということを問わなければなりません。
 再開発事業は、地権者の3分の2と賛成する土地所有者の土地面積が3分の2以上なければ進みません。チラシには「地権者の方々が力を合わせ、再開発事業が着々と進められている」としていますが、この再開発事業では、賛成の土地面積58%しかないのです。
ではなぜ進むのかと言えば、区が所有している11%の土地面積を加えたからに他なりません。本来なら行政は、公正・中立な立場にたって、粘り強く合意を得るためにコーディネートすべきなのに、賛成派に加担したことは重大です。
 未だ、再開発エリアからでていくという権利者の申し出はないと聞いていますが、それ自体が、この事業をこのまますすめていいのかの声です。また借家人は200件ほどあるとのことです。こうした住民を、庁舎移転の名で莫大な税金を投じて追い出そうとするのは、行政のやることではありません。
 結局、再開発事業を推進する手段として庁舎移転を持ち出してきたというのが真相です。この真実を区民に知られたくないために、別々に論じようとしているのです。あまりにも姑息と言わなければなりません。

 現庁舎新館は改修すればあと30数年活用できるとして、その方向で進んでいます。公共施設を長く大切に使うことは重要です。であるならば、本館・議会棟も同様に検討すべきです。今後も庁舎移転・立石駅北口再開発事業の問題点を明らかにし、税金はコロナ対策、暮らし応援に使うために全力をあげます。