えん罪

 映画「正義の行方」鑑賞。福岡県飯塚でおきた事件だが、DNA鑑定が決定的となり犯人とされ死刑となったものの、その後の再審請求で最高裁はDNA鑑定を否定したものの、証拠は十分として再審請求を棄却した。いったいDNA鑑定とは何かが問われる事件だ。死刑執行後、DNA鑑定から重要参考人が浮上と報道していた地元紙の西日本新聞は、DNA鑑定を否定されたことを受け、検証するための独自の取材を続け、2年間83回の特集を続けた。検証を担当した西日本新聞のスタッフは、証拠不十分であれば「疑わしきは被告人の利益に」ということから死刑にすべきではなかったと述べている。判決後、あっという間の死刑執行で、何も真実が明らかになっていない事件で、国家が国民の命を理由もなく奪う、そのことが明らかになるのを恐れた権力側あげてのえん罪なのか。何もしていないのに突然逮捕され、死刑になる、日本の警察、検察、裁判制度はこれでいいのかを問うている映画ではないかと思う。

 映画館近くに「昔ながらの長崎皿うどん」ののぼりに誘惑されてちゃんぽんを食す。九州に近い味だった。