柴又7-12-19に「柴又フーテン」という外国人観光客のための宿泊施設がある。旧職員寮を民間活用でリノベーションしたのだが、それでもあくまでもインバウンドを背景にしたバックパッカーを狙った宿泊施設としていた。ところが、コロナ感染拡大によって休業を余儀なくされ、やっと15人以上の団体受付のみの営業を再開した。3月議会で営業状況を聞くと、「外国人技能実習生」が滞在しているとの答弁があった。実態調査を求めると「契約の相手先であるRプロジェクトに何度もヒアリングして確認している」「受け入れについてちゃんと考えてほしいと話しはした」という答弁だった。受け入れがちゃんとできていないことは認めるものだが、実態はもっと深刻だ。運営会社は「Rプロジェクト」ではなく「株式会社ワールディング」という所で、22年4月29日「葛飾区に入国講習施設(アジア人材キャリアデザインセンター)を更新しました」とプレスリリースしている。この施設では技能実習生が日本に入国した後1か月程度の座学講習(入国後講習)が義務付けられているため、そのサービスを提供しているとなっている。明らかに外国人観光客の宿泊施設ではなく、技能実習生の講習施設になっている。住所は葛飾区柴又までしか書いていないため、電話で住所を確認したところ、柴又7‐12‐19と渋々答えた。ここは「柴又フーテン」の所在地だ。契約先は「Rプロジェクト」だが、実際使っているのは「株式会社ワールディング」。転貸だ!本日、所管課に確認したところ、「Rプロジェクトでなければ契約不履行で契約破棄になる。ただ我々はRプロジェクトがやていると話を聞いている」とRプロジェクトがやっていると言っているから問題ないという姿勢に終始している。しかし、実態が違うのに相手がそう言っているということで済む問題だろうか。
この構図は、現在大問題になっているバルアカデミー葛飾校と同じだ。一般財団法人キッズチャレンジ未来と協定を締結し週5日のグラウンド優先利用を承認しながら、実際使っていたのは㈱アメージングスポーツラボジャパンだ。区は「最初からキッズ未来はアメージングに委託していた」と言っているが、委託契約書、委託料、委託内容は?と聞いても「わからない」を繰り返し、アメージングが言っているからだと答弁する。アメージングが言えば白も黒になるのかと言いたい。しかも委員会中に傍聴しているアメージング社員にお伺いを立てて答弁していたことも明らかになっていて救いようがない。
いずれも公共施設を別企業に転貸し利益を上げさせていた。しかも区は知っていて黙認しているから重症だ。「協定」「契約」の締結という形で問題はおきないかのように見せかけ、実際は「協定」「契約」を盾に営利企業の下請け化している。青木区政の劣化の深刻さが現れている。チェック機関である議会のあり方、存在意義も問われている。